PHERE — 10th Season
'26 Autumn layers
'In No Great Hurry'
Unhurried.
Uncompeting.
Trusting your own gaze.
Finding richness in simply being on your own path.
The warmth between people.
The humidity of a shared moment.
And the space between things
-where culture takes root, where connections unfold,
and where something quietly meaningful begins
to grow.

急がず、競わず、
ただ自分の眼差しを信じて生きることの豊かさ。
1999年、ノストラダムスの大予言以前。
情報に触れるには時間が必要だった。
会えない時間があり、
まだ知らないことが世界に残っていた。
CDは買うまで全部は聴けず、
電話を待ち、
深夜番組や街との偶然の出会いがあった。
物には重みがあり、
建築には湿度があり、
食事には会話があり、
音楽にはノイズがあり、
人間関係には距離があった。
そこには、効率よりも想像や感覚が先にある世界があった。

2000年以降、テクノロジーは急速に進化した。
世界は便利になり、
速くなり、摩擦のないものへと変わっていった。
その一方で、
待つこと。
触れること。
面倒さ。
経年変化。
不完全さ。
偶然。
そんな人間らしさの一部は、
少しずつ薄れていったのかもしれない。


だからこそ、急がない。
まだ見えていないもののために。
偶然に出会うこと。
遠回りすること。
退屈な時間を過ごすこと。
効率やスピードが優先される時代の中で、
人と人との間に流れる空気や、
文化を育む余白に目を向ける。
このコレクションは、
急がないことの豊かさを見つめた物語である。
